ミミアカ
1,2年前だったろうか?
右耳がガサゴソいう。
散髪後の髪の毛が耳の中にタマタマ入って、
その髪が鼓膜に触れて音が出てるんだろうと思った。
しばらくしたら、気にならなくなって放って置いた。
2日前の水曜の夜に又、右耳がガサゴソ言い出した。
うっとうしかった。
やっぱり髪の毛が入ったんだろう思った。
木曜日外来中、右耳がガサゴソ言い出した。
聴診器が聴きにくくて、まいった。
電話で頭頚部の医者と連絡している時についでに耳の症状を聞いて見た。
親切にも、診察してくれると言ってくれた。
なんか、悪いなと思ったので、
耳かきとか、お風呂で右耳に水を入れたら、解決できないか聴いてみた。
いいかもしれん。と言われた。
帰宅が楽しみだった。
早速、耳かき。効果なし。
お風呂で、右耳に水入れ作戦。
ガサゴソは減ったが、水が耳から抜けなくて却って参った。
診てもらっとけば良かったと悔いた。
で、本日。
なんか、右耳が調子悪い。
頭頚部に診察券を入れた。
順番が来るまで、一生懸命働いていたら良くなってきた。
診察の順番が来たら、完全に調子よくなった。
キット、鼓膜に着いていた髪の毛が、きれいに剥がれて取れたんだろう。
完治してるみたいで、異常がないのに、大騒ぎした俺って。。
少し照れます。とT先生に告げた。
とりあえず診ようか?
お願いします。
ん!これかな?少し良くなりましたか?
あんまり変わりなかったけど、よ、良くなりました。
と言ってしまった。
でも、相手はさすがプロ。
僕の返事などに関係なく、更なる鼓膜のサーベイをしてくれた。
しばらくすると、耳垢があるけどこれかな?
つつかれると、あのガサゴソが聞こえた。
その音ですーっ。
5mmのチューブ出して!
看護婦さんがチューブを持ってきてくださった。
耳垢を吸引してくれることになった。
どうもピンセットでは剥ぎ取れないみたい。
吸引とともに懐かしいガサゴソ音がする。
しばらくして、さっぱり取れた。
取れた耳垢を見せてくださった。8x8mmくらいの赤い斑点のある白く平たい耳垢だった。
髪の毛だと思っていたのが耳垢だったので照れた。
この耳垢は生まれた時から僕と一緒に育ってきた事になる。
あまり、価値もないし、
役に立つものではないから要らないのだが、
それでも、貰っといたらよかったなと少し悔いた。
とりあえずその後の開放感は素敵だった。
T先生と看護婦さんにお礼を言って、
その後、最初に出会った精神科医のアミーゴに報告した。
このアミーゴには気の毒だったけど、この顛末を詳細に聞いてもらった。
アミーゴが、耳垢の小説があると教えてくれた。
いちど読んでみたい。